豊前市立埋蔵文化財センター

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奈良・平安時代
 710年に平城京に遷都して始まる奈良時代。天皇を頂点とした政治機構を構え、国家を成立させた時代です。日本初の刑法と行政法である大宝律令の制定や租税制度が確立され、国ごとに国衙や郡衙が置かれるなど律令国家としての体制が整えられます。
 794年に都が平安京に遷都し、平安時代が始まると中央政界では貴族が政治の表舞台に登場します。律令制の基本であった人別支配体制から土地を対象に課税する体制へと方針転換し、土地経営や人民支配の権限を委ねられた有力農民層が登場し、その統制を図るため軍事貴族層や下級官人層が成長しました。
 一方、唐の衰退から遣唐使が廃止され、文化の主流が「唐風」から「国風」へと移行しました。


豊前市域の奈良・平安時代

 現在の豊前市は、旧豊前国上毛郡の西部と築上郡の東部にあたります。官道(今の国道にあたる)は市域を東西に横切る形で通っていました。小石原泉遺跡と皆毛高屋代遺跡からは官道から北に延びる道路状遺構が見つかっており、南北の平野では、今も条里制の地割を見ることができます。また、小石原泉遺跡や赤熊三反田遺跡、赤熊花ノ木遺跡などから、在地領主の「居館」跡とみられる館跡や土壙墓が見つかっています。土壙墓の中には青磁・白磁などの中国から輸入した陶磁器や鉄製武具、鏡などが副葬されたものもみられ、地域の有力者の墓であると考えられます。


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